著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

便利な「貼り薬」には知られざる“落とし穴”がいくつもある

公開日: 更新日:

「貼る薬」はいまや医療の一大ジャンルになっています。湿布(経皮鎮痛消炎剤)以外にも、狭心症の治療に使うニトログリセリンテープ、認知症治療薬のリバスチグミンパッチ、ホルモン補充療法の貼付剤など、さまざまな種類が使われています。

 ただし、貼る薬には知られざる“落とし穴”がいくつもあります。服薬アドヒアランスを高める便利な製剤である半面、「貼る場所」と「環境」によっては予期せぬ副作用を招くことがあるのです。

 たとえば、「MRI検査」。貼付剤の中には、支持体にアルミニウムなどの金属が含まれている製品と、金属を含まないMRI対応製品があります。金属が含まれている製品は、MRIの強い磁場下で加熱してやけどを起こす危険があるのです。このため、検査前には必ず「貼り薬をしていないか」の確認が必要です。MRI検査では、入れ墨に含まれる金属成分が問題になるケースが知られていますが、貼付剤の金属成分も同様に反応するという点は意外に知られていません。

 もうひとつの盲点は「温度」です。貼付部をお風呂、カイロ、ストーブなどで温めてしまうと、血流が増えて薬の吸収が一気に高まります。貼り薬にとって“過度な加温”は注意が必要なのです。また、貼り薬は「皮膚の状態」でも効果が変わります。乾燥肌や角質が厚い部位では吸収が悪く、逆に汗をかきやすい場所では剥がれやすくなります。貼る部位を毎回ローテーションし、皮膚の“休息日”を設けることも大切です。

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