中学生だった山口百恵に「青い果実」を歌わせた…「昭和歌謡」はスゴかった! (後編)

公開日: 更新日:

♪うぶな私がいけないの~

 殿さまキングス「なみだの操」の、

♪あなたの決してお邪魔はしないから~

 もそうだ。

 昭和47年発売の前者は300万枚超、同48年発売の後者は200万枚超の大ヒットになった。

 では、当時の日本人がそんな女性観を全肯定していたかというと、まったくそんなことはない。両曲は当時すでにアナクロだったし、小学生だった私ですら「いねえよ、こんな女」とツッコミながら歌っていた。だって、ウーマンリブ全盛期だったんだから。

 そんな「今どきありえない設定」をあえてベタなド演歌で歌ったからこそ、世間にバカ受けしたのだ。両グループがもともとコミックバンドだったことも忘れてはならない。みんな「これは絵空事」とわかった上で楽しんで聴いていたし、昭和は歌謡曲に対する世間のリテラシー(歌詞の行間や背景を読み取る力)が高かった証しだと思う。


 ちなみに「なみだの操」の作詞は千家和也。百恵に「青い性路線」を歩ませた張本人である。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手