中学生だった山口百恵に「青い果実」を歌わせた…「昭和歌謡」はスゴかった! (後編)

公開日: 更新日:

♪うぶな私がいけないの~

 殿さまキングス「なみだの操」の、

♪あなたの決してお邪魔はしないから~

 もそうだ。

 昭和47年発売の前者は300万枚超、同48年発売の後者は200万枚超の大ヒットになった。

 では、当時の日本人がそんな女性観を全肯定していたかというと、まったくそんなことはない。両曲は当時すでにアナクロだったし、小学生だった私ですら「いねえよ、こんな女」とツッコミながら歌っていた。だって、ウーマンリブ全盛期だったんだから。

 そんな「今どきありえない設定」をあえてベタなド演歌で歌ったからこそ、世間にバカ受けしたのだ。両グループがもともとコミックバンドだったことも忘れてはならない。みんな「これは絵空事」とわかった上で楽しんで聴いていたし、昭和は歌謡曲に対する世間のリテラシー(歌詞の行間や背景を読み取る力)が高かった証しだと思う。


 ちなみに「なみだの操」の作詞は千家和也。百恵に「青い性路線」を歩ませた張本人である。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因