中学生だった山口百恵に「青い果実」を歌わせた…「昭和歌謡」はスゴかった! (後編)

公開日: 更新日:

 令和のコンプラ基準でみたら、アウトばかりの昭和歌謡。今なら山口百恵というスターは誕生していなかったかもしれない。

 昭和48(1973)年発売のシングル「青い果実」で、まだ中学生だった百恵はこう歌った。

♪あなたが望むなら~私何をされてもいいわ~

 翌49年の「ひと夏の経験」では、

♪あなたに女の子の一番~大切な~ものをあげるわ~

 だ。間違いなくやり玉に挙がる、という以前に世に出せないだろう。当時も物議を醸したが、今なら、そういう歌を中学生の少女に歌わせること自体が問題視されるに違いない。

 百恵は当時、芸能記者たちに「女の子の一番大切なものって、何なの?」としつこく質問されていた。彼女は毅然として言い放った。

「真心です」

 作詞した千家和也と酒井政利プロデューサーは、そんな百恵の強靱なメンタルを見抜いた上で「この子なら大丈夫」と確信して歌わせたのだ。年齢に関係なく、つくり手と歌手の間にはプロ同士の信頼関係があった。そしてそれを聴き手(小学生を含む)も理解していた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い