著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

客観性と愛情を両立 絶望を経て培ったノブコブ徳井の諦観を含んだ批評眼

公開日: 更新日:

「いまだに誰かに頼るっていうのが、できないかもしれない」
 (徳井健太テレビ東京系「日本怪奇ルポルタージュ」5月2日放送)

 ◇  ◇  ◇

 その冷静な批評眼を武器に、愛情たっぷりにバラエティー番組や芸人たちを語る「分析のプロ」として名高い平成ノブシコブシの徳井健太(43)。「敗北からの芸人論」(新潮社)という著書も刊行し、自身のYouTubeチャンネル「徳井の考察」も好評だった。

 そんな彼は、実は中学生の頃から母が統合失調症を患ったことから、家事全般や妹の世話などを担った、いわゆる「ヤングケアラー」だった。だが、「気がついたら当たり前のことだったので、大変だとは思ってない」とも言う。そして、その経験が生んだ自分の性分について語った言葉を今週は取り上げたい。

 徳井のこれまでの言動を知っていると、それが決して強がりなどでないことが分かるだろう。

 冒頭の番組で「このまま、この家にいるってことは、俺の人生が終わるってことだと思った」と言った徳井は高卒後、北海道から上京。この頃、徳井は音楽ではeastern youthに、お笑いではダウンタウンに憧れていた。「ダウンタウンを超えるか、eastern youthを超えるか。18歳の少年は思ったんです。いろいろ考えた結果、ダウンタウンの方が超えられるんじゃねえかなって」(フジテレビ系「酒のツマミになる話」2021年6月4日)と考え、吉本の養成所NSCに入学した。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」