スポーツ紙の「旧ジャニ忖度体質」全く変わらず…Nスぺ「ジャニー喜多川」特集を“完全スルー”

公開日: 更新日:

普段はPV至上主義で番組の文字起こしに励むスポーツ4紙が一切触れず

 中谷さんの姉は、金銭的な補償を断ったという。「謝罪をしてほしい」という純粋な感情を逆撫でした『SMILE-UP.』の振る舞いに、SNS上では疑問の声が多数上がった。

 しかし、普段はテレビ番組の内容を何1つ疑うことなく、そのまま載せるスポーツ紙のサイトは今回の『NHKスペシャル』について、ほとんど記事にしていない。

「日刊スポーツ、デイリースポーツ、スポーツ報知、サンケイスポーツの4紙には1つもありません(10月22日現在。以下同)。いつもならPV至上主義で、プライドを捨ててまでテレビの文字起こしだけを恥ずかしげもなく垂れ流しているのに、今回は完全に沈黙ですよ。東京中日スポーツは番組最後の『NHKのコメント』について1つ、スポーツニッポンは同じく『NHKのコメント』について1つ、元フォーリーブスの江木俊夫の言葉を拾った記事2つの計3つ載せています。トーチューは年内で事実上の廃刊と言われているから、遠慮する必要もないのに1つだけ。スポニチは2年前くらいから事務所について厳しい記事も載せていますが、まだまだ配慮しているという印象です。江木俊夫はジャニー氏について肯定的な意見も述べており、スポニチはその部分も書いていました」(芸能記者)

 スポーツ紙は今も旧ジャニーズ事務所(現・STARTO ENTERTAINMENT)のタレントのインタビューを度々掲載しており、コンサートの様子も大きく扱っている。

「昨年、BBCの報道をきっかけに、日本のテレビやスポーツ紙もようやくジャニー氏の性加害問題を報じるようになった。そして、今までの反省を番組や紙面で展開しました。しかし結局、ほとんどのメディアは何も変わっていないんですよ。スポーツ紙は旧ジャニーズのタレントが出れば、売り上げがアップする。もしNHKスペシャルについて書いて、機嫌を損ねたら取材をさせてもらえなくなるかもしれない。その不安があるから取り上げないのでしょう。以前と全く同じように忖度している。この構図がジャニー氏の性加害を生み、数十年にわたって継続させた大きな要因なのです。それをもう忘れたのでしょうか」(前出の芸能記者)

 喉元過ぎれば熱さ忘れる。スマイルアップ社の高圧的な態度も、スポーツ紙の忖度体質も全く変わっていない。番組をきっかけに、その現状を公にしたNHKには一定の功績がある。しかし、その公共放送も旧ジャニーズ事務所のタレントの起用を再開する――。

  ◇  ◇  ◇

 横並びで旧ジャニーズ事務所にベッタリのスポーツ紙の姿勢は性加害問題が発覚してからも終始一貫している。●【あわせて読む】東山紀之をスポニチ以外のスポーツ紙が一斉にヨイショ…あからさまな“忖度報道”読み比べ…でも詳しく掘り下げているので是非ご覧ください。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」