フジ“やり直し会見”10時間半を識者はこう見た 影山貴彦(同志社女子大学教授/メディア論)・鎮目博道(元テレビ朝日プロデューサー)

公開日: 更新日:

ガバナンスの至らなさの表れ

 冒頭30分で中途半端にも至らない会見だと受け取りました。会見の場に日枝取締役相談役を呼べず、物言いは中途半端。第三者委員会の説明より、視聴者に対するおわびに時間を割くべきだったのでは。これまでも視聴者に対する心の底からのメッセージはなかったので、しっかり言葉を重ねるべきでしょう。

 今回の会見が初回ならまだ逆風も抑えられたかもしれませんが、17日の会見を踏まえてなのでより厳しさを求められる中で合格点とは言えません。社長交代についても、清水新社長にはいい印象を受けましたが、相談役含め残留する役員がいると新人事もかすんでしまう。民間企業ならその業種に精通する人材を外部から招聘するのが一般的ですし、本来なら社長も役員も一掃するタイミングなのでは。被害女性が“嫌悪感を持っていた”ことを明かしたということは、幹部のA氏が何らかのダメージを与えたことは容易に推察できます。いまだに怒りを覚えているということ、ヒアリングしたにもかかわらず退社されたということは、フジテレビのガバナンスの至らなさの表れと言えるでしょう。

(影山貴彦/同志社女子大学教授・メディア論)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」