新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

公開日: 更新日:

自然の中で鳩を眺めて生活したかった

 鳩はヨーロッパから来た鳥ですが、ヨーロッパだと鳩を飼う敷地がゴルフ場くらい広く、鳩小屋がレンガ造りで、人が小屋に入る時はスーツ姿だったりします。そして重要なのは周りには花木など自然が豊富ということ。

 そこまではいかなくても僕も広い敷地にいろんな花木を植えて、鳩を放して、自然の中で四季を感じながら鳩を眺めて生活したかった。

「俺は、なんで鳩の夢をかなえなかったのかなあ」と、50周年の節目に反省しています(笑)。

■「おまえはお金になんないことばっかりやってた」と千昌夫さん

 今思えば最初から広い土地を買うことを目標にお金を貯めていればよかったですね。でも、僕はお金の使い方が下手だったんです。ある日、大先輩の千昌夫さんから「おまえは鳩とかバドミントンとか、お金になんないことばっかりやってたな」と言われたほどで(笑)。

 妻がバドミントンの選手だったので、僕もバドミントンを頑張って、全日本のシニア30歳代の大会で、ベスト16までいきました。僕はその時その時でやりたいことをやるだけで、計画性がなかったんですね。

 結局、仕事とプライベートの2つの夢をかなえるには相当、強い信念と計画性がないと難しい。あと、世の中をよく理解していないとかなわない(笑)。僕は理解していなかったなあ。

 振り返ると若い時分は歌の仕事に忙殺されていました。デビューから2年間は1日も休みがなかったんです。これは経験した人しかわからないと思います。当時は歌番組も生放送でしたし、多い時は1日に10本以上仕事が入って、コンサートから帰った足で上野駅からスタジオに直行して、夜中の1時から新曲のレコーディングをしたことを今も覚えています。

 それだけ働けばお金も貯まりそうですよね? でも、僕は性格がマイペースなのか、稼ぎまくっていた頃でも事務所の社長に「月に10日は休ませてください」と頼んで「おまえ、そんなに休むのかよ!」と呆れられたり、ある時は「田舎で1カ月間休みます」と宣言したり。

 その噂を聞いた森進一さんが「本当か? 俺は怖くて1カ月も休めないよ!」と驚いていたのを覚えています。当時は少しテレビに出ないと忘れられちゃう時代でしたから。ですから、広い土地を買えるほどには貯まらなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

  4. 4

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  5. 5

    「自維連立政権」爆誕へ吉村代表は前のめりも、早くも漂う崩壊の兆し…進次郎推しから“宗旨変え”

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  3. 8

    自民「聞いてないよォ」、国民・玉木氏「どうぞどうぞ」…首相指名の行方はダチョウ倶楽部のコント芸の様相

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    「ガルベスと牛乳で仲直りしよう」…大豊泰昭さんの提案を断固拒否してそれっきり