鈴木亮平×有村架純のGW映画「花まんま」は令和版「男はつらいよ」だ

公開日: 更新日:

「花まんま」は、舞台こそ大阪だが、俊樹を演じる鈴木亮平の妹のことになると周りが見えなくなる、直情的な愛情の傾け方はほとんど“現代版寅さん”。兄の愛情を、素直に受け止めるフミ子役の有村架純は庶民的な感じも含めて、やはり“現代版さくら”のようにも見える。ここでは俊樹と幼なじみのお好み焼き屋の娘・駒子(ファーストサマーウイカ)の結びつきも語られるが、あくまで脇ネタ。原作と同じく、フミ子の中に宿る、もう一人の女性・喜代美とその家族の物語が重要になっていく。

 結婚式に向けて謎の行動を見せるフミ子に、心穏やかではない俊樹のうろたえぶりが寅さんを思わせる。原作の世界観を基本にしながら、題材の料理の仕方を令和版「男はつらいよ」に持ってきて、笑って泣ける感動作にしているのがうまい。

 前田哲監督は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(18年)や「老後の資金がありません!」(21年)など、社会問題を絡めながら、明るいエンタメに昇華させる作品を製作。今回の映画も監督が長年温めてきた企画だというが、彼の練達の職人技がさえた一本になっている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々