(24)青梅で鰻と酒を
新宿と八王子を結ぶ京王線の沿線で生まれ、育ち、今も暮らしている。駅でいうと、ふるさとは仙川駅。現在ははるかに西の多摩川を越えたあたりに住んでいる。多摩川や浅川にかかる橋から、ときおり、素晴らしい富士の姿が見える。概して、空の広い、空気のうまい土地である。
子供の頃から高尾山には登ってきた。何度登ったことか。しかし、立川からJR青梅線で向かう御岳山には、小学校の遠足で登ったきりだ。高尾山のある八王子市は旧三多摩郡の西多摩郡にあたり、御岳山は西多摩郡。同じ多摩でも、だいぶ遠い。
立川を出た青梅線は拝島から青梅へと走り、その先、奥多摩駅まで、青梅から乗り換えて行くことになる。この界隈をのんびり歩いたのは多摩川沿いに酒を飲みつつ海まで下る「多摩川飲み下り」企画を実行したときだった。
この企画で御岳山には登らなかった。あくまで川沿いの、酒が飲める店を探し、飲食店がなければ川原で缶ビールやポケット瓶のウイスキーを飲んだりした。まったく金のかからない、長い散歩酒である。奥多摩へ続く一本道は、新宿を起点とする青梅街道である。延々と続く道沿いには、ときおり、古い商家や寺が残っていたりする。街道沿いの肉屋でコロッケを買い、ビールのつまみにすると、いい歳こいたて華やいだ足気分だ。ただ歩くのが、気持ちよかった。
















