ナフサ供給に暗雲で迫る医療危機…それでも高市政権「患者不安」置き去りの冷酷非情

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 見ざる、言わざる、聞かざる。日光東照宮で有名な「三猿」は「悪いことを見たり、言ったり、聞いたりしないように」との教訓が込められているそうだが、高市政権は別の意味で「三猿」だ。イラン攻撃に伴う医療崩壊のリスクから目をそらし、攻撃中止すら口にせず、他の意見に耳を貸さない──。「三猿内閣」が医療現場・病人を不安に陥れている。

  ◇  ◇  ◇

 米国とイスラエルによるイラン攻撃から1カ月が過ぎた。“長期戦”も念頭に各国は原油争奪戦に血道を上げているが、高市首相はのんびりしたもの。石油製品の原料である「ナフサ」(粗製ガソリン)の供給不安を受け、ようやく、30日の衆院予算委員会で「医療活動が停滞しないよう、安定供給を図る体制を立ち上げた」と表明した。

 医療器材はナフサ由来が多く、ナフサの不足は患者の命を左右する。特に約34万人いる透析患者にとっては深刻だ。治療に不可欠なダイアライザー(人工腎臓)や血液回路などは当然、使いまわしできない。器材不足で1回でも治療が滞れば生存に直結するのに、高市が今になって出してきた対策が「安定供給を図るための体制整備」なのだ。

 イラン戦争から1カ月も経ったのに、今から体制整備とはいくら何でも遅すぎるのではないか。

 透析治療だけでなく、注射器や点滴バッグ、カテーテルなど、あらゆる医療器材の供給懸念がイラン攻撃の直後から指摘されてきた。なのに、高市政権は「現時点でただちに供給上の問題は生じていない」と繰り返すだけ。予算委で共産党の辰巳孝太郎議員が「各医療器材について、いつまでもつのか、具体的に把握しているか」と聞いても、上野厚労相は「ただちに供給が滞るという報告はない」と強調し、「経産省と密接に連携を取って必要な対応が取れるように取り組みたい」と明確な答弁を避けたのだった。

 医師で医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は「長期化すればコロナ禍のようになる」と言い、こう続ける。

「防護服やマスクが不足したコロナ禍の時のように流通が止まる恐れがあるうえ、そもそも原料が供給されなくなる点で当時とは事情が異なります。医療器材は大半が石油製品で、国際分業で作っている。政府も今後の影響を予見しがたい部分があるのでしょう。医療器材の供給が滞れば、町のクリニックや診療所に真っ先にシワ寄せがいくのではないか」

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