著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

ドン小西さんは膀胱に続いて咽頭に…多発も悪くない「一がん息災」ととらえよう

公開日: 更新日:

 ファッションデザイナーのドン小西さん(75)が咽頭がんで1カ月半の放射線治療を受けることが報じられました。今年1月に受けた心臓弁膜症の検査で膀胱がんが見つかり、2月に膀胱を摘出されたそうです。咽頭がん診断の経緯は分かりませんが、この経過から推察すると、今回も膀胱がんの検査がキッカケだった可能性はあるかもしれません。

 転移ではなく、独立したがんが複数できることを重複がん(多重がん)といいます。がんが多発することは決して喜ばしくはありませんが、必ずしも悪いことではありません。最初のがんを経過観察する過程で、次のがんは早期に発見されやすいのです。そうすれば早期発見、早期治療で新しいがんは根治できる可能性も高い。いわば、一がん息災。治療のチャンスです。

 私も膀胱がんサバイバーで、2018年末の手術後は1年に1回、PET検査を受けています。保険制度上は転移や再発をチェックするためです。しかし、別のがんを早期に見つけることも期待しています。

 実は、発がんリスクが共通していると、多発しやすい組み合わせもあって、その中で医学的に重要なのは食道がんと咽頭がんです。食道がんの方のうち咽頭がんを併発するのは10%前後、逆は10~20%といわれます。どちらもアルコールとたばこの影響で増加し、特に飲酒で赤ら顔になる人は要注意です。

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