春の宵にホタルイカ、揚げたてがんも…日本橋馬喰町「小伝馬」で一人酒の至福

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 世間ではさくらさくらと喧しいが、他にも美しい花が咲いているのですよ。

 いつもその名を忘れてしまう黄色い花、ミモザがアタシは好きだな。かわいい赤い色のカイドウにも目を奪われる。柄じゃないって? たまにはいいでしょ。

 ところで、本を読んでいただいた方からオススメの店をご紹介いただくことが増えた。この場を借りて御礼申し上げる。

 今回はその一軒。ときは沈丁花が香る春の宵、ところは馬喰町、店名が「小伝馬」。そう聞いてじっとしていられる奴ぁ酒飲みとは言えない。

 繊維問屋街のド真ん中。店頭の杉玉に目を奪われ、お品書きを見れば春の肴がズラリ。春宵一刻値千金。この機を逃すまじ。すると中から男性が出てきて「お一人なら奥のカウンターが空いてますよ」。アタシはハーメルンの笛吹きを追いかける子供のごとくついていく。

 実はこの方、2代目店主の福間義行さん。奥行きのある店内はテーブル席が並び、すでに五分の入り。奥には5人ほど座れるカウンターがあり、アタシはその真ん中に陣取る。初客のアタシに気さくに対応してくれる2代目ご夫婦。目の前の板場を守る3代目の大地さんも明るく相手をしてくれる。うれしいね。

 まずは生ビールをタンブラーで(400円)。メニューには魚料理が目白押しだ。この季節ならホタルイカだろう(680円)。ぷりぷりの富山産。こりゃ、酒でしょう。慌ててビールを飲み干す還暦男。滋賀の銘酒道灌の樽酒(550円)に粗塩をもらい、それをちょいと舐め、ホタルイカを放り込み噛みしめる。塩とイカワタが溶け合い、そこに樽酒。サイコ~!

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