鈴木亮平×有村架純のGW映画「花まんま」は令和版「男はつらいよ」だ

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 朱川湊人の直木賞受賞作を、前田哲監督が鈴木亮平有村架純のダブル主演で映画化した「花まんま」が4月25日に公開される。

 大阪の下町を舞台に、亡くなった両親に代わって妹・フミ子(有村架純)を育ててきた兄・俊樹(鈴木亮平)との兄弟愛を描いたもの。フミ子の結婚が決まり、ホッとする俊樹だが、フミ子には幼少期から別の女性の記憶もあり、その女性・繁田喜代美は22年前に、事件に巻き込まれて亡くなっていた。両親を失い、妹を育て、守って生きてきた俊樹。兄の愛を痛いほど知りながら、喜代美の家族のことも忘れられないフミ子。結婚を目前にして兄妹の思いが揺れ動くさまを、前田監督が人情喜劇として描き出している。

 原作は、俊樹とフミ子の幼少期にスポットを当て、繁田喜代美の記憶を持つフミ子が、兄と共に繁田家の人々に会いに行くさまを映し出した短編小説。映画では大人になった2人を主人公に、兄妹の絆に焦点を絞ったところにオリジナリティーがあり、物語の骨格は「男はつらいよ」シリーズの第1作を彷彿とさせる。

「男はつらいよ」の第1作は、実はさくらの物語である。久しぶりに故郷の柴又に帰ってきた車寅次郎が、妹のさくらと恋人・博の恋のキューピッドの役割を果たす。ポイントはドラマの中心はさくらだということ。寅さんは帝釈天の御前様の娘に恋をしてフラれるが、あくまでサブエピソードとして描かれている。第2作からはさくらが結婚したことで、寅さんの失恋話がメインに変わる。

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