映画「ぶぶ漬けどうどす」に見る京都人の二面性 本当は恐ろしい老舗の女将さんたち

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「ぶぶ漬けどうどす」テアトル新宿他全国ロードショー中

「京都の人とつき合うのは簡単そうで難しい」

 10年前に東京から京都に移り住んだ友人はいつもこう話してくれる。

 生粋の京都人に自己紹介するときは、自分がどこの出身かをまず話す。次に先祖や親戚に京都ゆかりの人がいるかを伝えなければならない。京都に縁がなければよそ者だが、そのことを自ら伝えれば京都人は受け入れてくれるそうだ。

「京都人には『天皇さんは自分たちのもの』という意識もある。だから彼らのプライドを傷つけてはならない」

 う~ん、難しい。

 この「ぶぶ漬けどうどす」はそうした京都人の面倒くさいメンタリティーをあぶり出す意欲作だ。

 京都で450年の歴史を誇る老舗扇子店の長男と結婚したフリーライターの澁澤まどか(深川麻衣)。夫の実家を訪れ、老舗の暮らしぶりをコミックエッセーにしようと、義母の環(室井滋)や義父の達雄(松尾貴史)、町の女将さんたちの取材を始める。ところが環の留守中にテレビの取材を受けたため、放送を見た女将さん連中の怒りを買うことになる。

 京都は何事も「本音と建前」を使い分ける町だと痛感したまどかは、パートナーの漫画家・安西(小野寺ずる)を連れて京都に移り住み、エッセーの取材を本格的に開始。京都の正しき伝道師を目指して奮闘する。だが、その一方で古都が直面する都市問題が絡み、事態は思わぬ騒動に発展していくのだった。

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