最新回の朝ドラ「あんぱん」ウラの見所~手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?
第19週「勇気の花」#95
【朝ドラのツボ!】
嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った嵩は、意を決して退職届を提出する。
一方のぶ(今田美桜)は、鉄子(戸田恵子)に意見して怒らせてしまう。落ち込んで家に帰ると、上機嫌な登美子(松嶋菜々子)が待っていた。しかし、嵩が三星百貨店を辞めると聞いて表情が一変する。
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【本日のツボ】
手嶋治虫、トレードマークのベレー帽はいつから被っていたのか問題
※※以下、ネタバレあります※※
今週は一気に物語が動きました。特にメイコ(原菜乃華)です。月曜日に東京に出て来て、火曜日に健太郎(高橋文哉)と再会、水曜日に結婚して、木曜日には2人の子持ち(1人はお腹の中)に。怒涛のような1週間でした。長年想い続けてきた健太郎とやっと結ばれたメイコ。その幸せな様子をもう少し、じっくりと味わいたかったです。
そして。のぶと嵩です。嵩はもうとっくに三星百貨店を辞めたのかと思ったら、まだ勤めていたとは驚きです。喫茶店で手嶋治虫(眞栄田郷敦)と編集者の打ち合わせに遭遇し、ようやく、退職の決意をしたという感じでしょうか。
それにしても、嵩はなぜ、彼が手嶋だということがわかったのでしょう。トレードマークのベレー帽を被っていたから?
手嶋が嵩に、革靴の紐がほどけていると指摘し、さらにその紐を結んであげるというエピソードは、何かの伏線になっているのでしょうか。そうでなければ、不思議なシーンとしか言いようがありませんから。
のぶのほうも、薪鉄子(戸田恵子)と意見が食い違い、なにやら険悪なムードに。「私のやり方に文句はあるがやったら、辞めてええがで」と言われてしまいます。
あの庶民の味方・薪鉄子がこんなにも変貌してしまうとは。端折られた5年間、のぶと鉄子の間になにがあったのか、ここもちゃんと描いて欲しかったです。
それ、のぶが言っちゃうの?
に帰ると、そこには登美子(松嶋菜々子)の姿が。嵩に大事な話があると言われて来てしまったと。「おめでたかしら」とウキウキの登美子に、嵩が三星百貨店を辞めることを伝えるのぶ。
あらら、言っちゃうんだ、と思いました。そこは嵩に言わせてあげましょうよ。のぶ、そういうとこ、とテレビに向かって叫びました。
嵩も嵩で、退職を反対されると、「もう僕たちの人生に立ち入らないでくれ。帰ってくれ」ってどういうことなのか。登美子ならそういうとわかりきっているのに。自分から連絡しておいて、帰ってくれ、ってもうわけがわかりません。
登美子を追い返した後、家の外で並んで座り、月を見上げるふたり。そこで、嵩は、手嶋治虫に会ったこと。天才・手塚への劣等感をのぶに話します。
「うちにはわかる。ちっぽけな嵩がいつか天才もびっくりするような作品を創るって」と嵩を励ますのぶ。その言葉に「根拠が無さ過ぎるよ、のぶちゃん」と自己肯定感低めの嵩が心配です。
(桧山珠美/TVコラムニスト)