地方局のメインイベント「夏の甲子園」…取材・放送は特別体制ができているのでしょうか?
私の出身母体であるテレビ朝日系列にとって、夏の甲子園ほど特別なものはありませんでした。親会社である朝日新聞社が主催する大会だから、というのが根本にあるのですが、各地方の系列局が地方大会の段階から取材を開始して、注目校や注目選手の密着取材も開始するのには理由があるのです。
まず、他の系列より圧倒的に「番組数が多い」というのがあります。近畿地方以外の方にはそれほど知られていないかもしれませんが、実は大阪の朝日放送では毎年、夏の甲子園をテレビとラジオでほぼ全試合生中継しています。この生中継に向けて各地方局とも「準備がマストになってくる」のです。出場校のリポートをするのは、その学校のある都道府県を担当する局の仕事ですからね。映像も撮りだめなければならないし、注目選手の情報も当然必要です。出場校と一緒に全国から地方局の担当者が「甲子園入り」するわけですよ。
そして「全試合を生中継する」のは、とてもじゃないけれど大阪の朝日放送だけでは無理なんです。だから全国から、特に東京のテレ朝からは毎年、ディレクター・技術・アナウンサーなどが大勢「ヘルプ」として大阪入りすることになります。言ってみれば、毎年恒例の系列総出のお祭りになっているわけです。