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永尾光一一般社団法人日本精索静脈瘤協会代表理事、医療法人社団マイクロ会理事長、 銀座リプロ外科院長、東邦大学名誉教授

1960年生まれ。埼玉県出身。昭和大学で形成外科学を8年間専攻後、東邦大学で泌尿器科学を専攻。東邦大医学部泌尿器科学講座教授、医学博士・泌尿器科専門医、男性不妊治療・精索静脈瘤手術の第一人者。 一般社団法人日本精索静脈瘤協会医療法人社団マイクロ会理事長。

なぜ“不妊”はこれほど増えたのか…男性不妊の30〜50%は「原因不明」の現実

公開日: 更新日:

 晩婚化やストレス、生活習慣の変化によって、生殖能力の低下は男女ともに進んでいる。今回は“男性不妊”について世界の事情とともに治療法も紹介する。

  ◇  ◇  ◇

 これまで「不妊=女性の問題」と捉えられがちだったが、実際には原因の約半数が男性側にある。「男性不妊」という言葉はまだ広く浸透していないが、検査を進めるうちに「実は夫側に原因があった」という例は少なくない。パートナー任せにせず、男性自身が自分の健康に関心を持つことが重要だ。

 1990年代以降、精子の質の低下が世界的にも報告されている。精子の数、運動率、形態のいずれもが下がっており、これは加齢だけでなく、現代的なライフスタイルにも起因する。たとえば、環境ホルモンや化学物質への暴露、スマートフォンやノートパソコンを膝上で長時間使用することによる陰嚢部の加熱などが挙げられる。精子は熱に弱く、わずかな温度上昇でも質が落ちるとされる。

 さらに、喫煙・飲酒・肥満・運動不足・睡眠の質の低下といった生活習慣の乱れも大きな要因だ。夜型生活やストレス、メタボリックシンドロームも、精子のDNA損傷や形成異常に関与する。

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