15%上乗せ「トランプ関税」発動で日本経済に壊滅的打撃…「石破おろし」に拍車どころか退陣の決定打に
「話が違うじゃないか」──と、多くの国民が思ったに違いない。7日トランプ関税が発動されたが、これまで石破政権が説明していた内容とまったく違うものだったからだ。日本は想定以上の高い関税を課せられることになった。このままでは日本経済は壊滅的な打撃を受けかねない。この失態は石破退陣の決定打になるのではないか。
■「特例措置」の対象はEUだけ
米トランプ政権は、日本時間の7日午後1時、貿易相手国に対する新たな「相互関税」を発動した。発動前、トランプ大統領は「長年アメリカを食い物にしてきた国から数十億ドルのカネが入る」と、うれしそうにSNSに書き込んでいる。
日本は予定通り15%の相互関税を課せられることになった。
これまで日本政府は、もともと関税が15%未満だった輸出品の税率は一律15%となり、15%を超える関税が課されていた品目は従来の税率がそのまま維持されると説明していた。他国は、既存の税率に「相互関税」を上乗せされるが、日本とEUは「特例措置」が適用されると胸を張っていた。
ところが蓋を開けてみれば「特例措置」の対象になったのはEUだけで、7日に適用が開始された大統領令には、日本に対して15%の関税を上乗せすると明記されていた。
上限が15%なのと、15%の関税が上乗せされるのとでは、話がまったく違ってくる。
たとえば、26.4%の関税が課されている牛肉の関税は、15%上乗せされ41.4%となる。織物は7.5%から22.5%に、マヨネーズは6.4%から21.4%に高まることになる。
15%の追加関税は、食品から建設機械まで幅広く課せられるとみられ、日本経済全体に影響を与えるのは確実だ。
さすがに、批判が噴出している。
立憲民主党の野田佳彦代表は「相互関税が15%に下げられたと、自慢げに言っていたが話が違うじゃないか」「文書をつくらない方がメリットがあるようなことを言っていたが、合意文書を固めないから、こんなことになる」と痛烈に批判。
自民党の「関税に関する対策本部」でも、「われわれは騙された」「子どもの使いではない」との声があがったという。
石破首相は「大統領令を修正するよう米側に強く求めている」と取り繕っているが、はたしてトランプ政権が修正に応じるのかどうか。
「トランプ大統領が各国に高い関税を課したことで、いまや関税はアメリカにとって大きな税収源になっています。7月だけで関税収入は296億ドル(約4兆3000億円)です。そう簡単には大統領令を修正しないのではないか」(霞が関事情通)