蕁麻疹は「症状が出てから薬」はNG…かゆみ&赤い膨らみを出さないための治療ポイント
慢性的な蕁麻疹でつらい思いをしているみなさん。「蕁麻疹は治らない」と諦めていないだろうか? 2017年、24年と新薬が承認され、「従来薬では効かなかったが、新薬で蕁麻疹が出なくなった」という人も増えている。蕁麻疹治療の最前線ではどういったことが行われているのか。島根大学医学部付属病院アレルギーセンター長の千貫祐子医師に話を聞いた。
蕁麻疹の8割を占めるのが、原因を特定できない特発性蕁麻疹だ。それが6週間以上継続している場合を「慢性特発性蕁麻疹」という。
製薬会社「サノフィ」が慢性特発性蕁麻疹の治療に関する調査を今春実施。患者の4割が「最初に症状が出てから現在までの期間が10年以上」で、9割超が新薬の存在を知らなかった。
蕁麻疹は症状が出ても、数時間で跡形もなく消えてしまう。
患者には「症状が出て、かゆくなったら薬を使えばいい」と思っている人が、かなりいるという。しかし、それは間違いだ。
「蕁麻疹の治療は先手必勝です。『症状が出ていない時も薬を使って、症状が現れない状態を維持する』が治療の基本。2017年、24年に承認された新薬は安全性の高い分子標的薬(※)で、難治性の慢性特発性蕁麻疹も、寛解(症状がない状態を維持する)まで到達できる方が増えました。症状が落ち着いたら、薬をやめることも可能です」(千貫医師=以下同)