増産に転換で付きまとう“コメ余り”…対策として政府がブチ上げる国産米「輸出拡大」の勝算は?
そんなにうまく事が運ぶものなのか?
政府は5日にコメ政策を巡る関係閣僚会議を開き、1970年代から続いた減反政策からの脱却を表明した。これまでは値崩れを起こさないよう需要に合わせて生産調整を行っていたが、昨夏からコメの需給が逼迫したことで、長年の方針を転換し、ついに増産へとかじを切ったのだ。
しかし、増産にかじを切れば当然、コメ余りの恐れがつきまとう。さっそく、小泉進次郎農相と6日に面会した上月良祐・自民党農林部会長は「需要がないのにどんどん作れば需給が崩れる」として、増産が米価低迷を招きかねないとの懸念を示した。
進次郎氏は「輸出の拡大や新規需要の開拓をしていく」と説明。供給過剰の対策として、海外への販路拡大で新たに需要をつくろうというのだ。
農水省によると、昨年のコメ輸出額は前年比27.8%増の120億円と、過去最高だった。世界的な和食ブームにより、ここ10年間はコメ輸出量が増加し続けている。
こうした追い風はあるのだろうが、はたして今後、大幅な輸出拡大を期待できるのだろうか。あるコメ流通関係者は「やはり一筋縄ではいかない」と、こう続ける。