離婚以上の報復を…ハイスぺ女医の「勘違い男」育成計画。“都合のいい女”に騙された20代夫の社会的な転落

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コクハク

【不倫ドキュメント・ファイル~なぜ禁断の恋をするのか?】

 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚外恋愛経験者だという。SNSやマッチングアプリが普及し、不倫のハードルは下がる一方。しかし、その裏にある人間の欲望と自己演出には注意が必要だ。

 ワイドショーの定番、それは芸能人の不倫騒動。謝罪会見に活動休止──愛に溺れた代償はあまりにも重い。

 世間が「不倫=絶対悪」と決めつけるなかで、それでも、人はなぜその扉を開けてしまうのか。禁じられた恋に身を投じる不倫の背景をCA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持ち、数々の人間模様を見てきた筆者が読み解いていきたい。

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6歳年下男性と結婚した女医の復讐劇

「年の差婚」や「格差婚」が珍しくない今、社会的に成功した女性が、自分より若く収入の少ない男性と結婚するケースも増えている。

 中でも、若い夫を持つ女性は、「人生経験と自立した美しさ、大人の余裕と品を備えた存在」として、羨望の的になりがちだ。

 しかし――そんな年下夫が不倫をしたら?

 今回、取材に応じてくれたのは、都内の大学病院で働く玲奈さん(34歳内科医/既婚・子供なし)。6歳年下の夫・啓二さん(28歳・家電メーカー勤務)と、1年前に結婚したばかりだ。

 だが最近、夫の浮気が発覚したという。

甘く幸せな新婚生活のはずが…

「最初の出会いは共通の知人の紹介です。長身でクールな顔立ちの彼にひと目惚れでした。大学病院にはまだ昭和的な年功序列や女性差別も根強くて…そんな中、啓二は礼儀正しくて、『お医者様だなんて尊敬します。病気になったら診てくださいね』って。新鮮で、嬉しかったんです」

 経済格差はあったが、玲奈さんのほうが積極的だったという。

「高収入でも妻を軽んじる夫の話はよく聞いていました。啓二はどんな時も私を尊敬してくれましたし、『玲奈のちょっとドジなところが可愛い』『料理も上手だし、頭のいい女性って本当に魅力的』って。最初は難色を示した両親も、啓二に会わせたら『好青年ね。玲奈の選んだ人なら間違いないわ』と一変。すんなり結婚できました」

 新婚生活は甘く幸せだった。家事は分担。マッサージをしてくれたり、買い物にも付き合ってくれたりと、理想的な夫だった。将来の妊活に備え、卵子凍結もしていた。

 しかし、彼の浮気が発覚――。

ハートマークが並ぶLINEの送り主は…

「酔って帰宅した啓二のスマホに、ハートマークがズラリと並ぶLINEが表示されて…。申し訳ないと思いつつ開いてしまったら、相手は『弥生』という女性。読み進めるうちに、啓二と同い年の『元カノ』だとわかったんです」

 メッセージには、こうあった。

――やっぱ弥生のほうが、相性いいな♥

――ハイスペの奥さんと結婚したのに、悪い男ね

――肌の弾力が全然ちがう。6歳差って大きいよな

――それ、奥さんの前では言っちゃだめよ(笑)

――稼げない分、家では気を遣うんだよ。正直しんどい。弥生と結婚してたら、もっとキラクだったかも(笑)

――贅沢ね~。でも啓二なら、いつでもウェルカム♥

離婚だけでは収まらない!

「LINEの履歴をさかのぼると、結婚3カ月後には再会していました。

 あの時期、急に優しくなったのも納得。PCの調子が悪いと言えば、夜、帰宅すると、『設定、見直しておいたよ』とか、欲しがっていた高級ドライヤーも勝手に予約してくれたり…。今思えば、すべてカモフラージュだったんです」

 玲奈さんは即、離婚を決意。LINEのやりとりはすべて保存し、慰謝料請求も見据えて証拠を収集した。

 だが、彼女の怒りはそれだけでは収まらない。

 なんと――夫を「勘違いの最低男に育成」し、社会的に抹殺する計画を立てたのだ。

徹底して「都合のいい妻」を演じつづけ

 玲奈さんは夫を潰すため、「都合のいい妻」を演じつづけた。

「ある日、啓二が仕事の愚痴をこぼしたんです。

――上司に『おまえは仕事は早いけれど、大ざっぱで、きめ細かさが足りない』って言われたよ。

 そうつぶやかれたら、

――上司が間違ってるわ。今はスピード勝負。大ざっぱでも、スピーディに結果を出せる人が優秀よ! って励ましました」

 別の日はこうだった。

――最近、上司に『謙虚さがない』って注意されたよ。そんなに横柄かな?

――全然そんなことない。男性は、堂々としてるくらいがちょうどいいの。謙虚な人間は舐められるわ。わがままなほうが、一目置かれるし、魅力的よ」

「勘違い男」の末路

 玲奈さんは夫を、じわじわと「勘違い男」に仕立てあげていった。

 そして、夫はまんまと子会社に左遷される。

「落ち込む夫には、

――見る目のない会社ね。啓二ならきっと逆転できるわ、って励ましました(笑)」

 ときおりスマホをチェックしても、弥生との不倫は続いていた。

 子会社でもトラブルが絶えないようで、玲奈さんにはこんな相談も。

――新しい会社、誰も話しかけてくれないんだよ。

――それは、啓二がカリスマ性を備えているから。大物は孤独なものよ。

――今日は、打ち合わせに遅刻して叱られた。

――大物は相手を待たせるものよ。私は1時間くらいの遅刻なら平気だけど。

 こうして甘やかし続けた結果、探偵会社に調査を依頼すると――

「協調性ゼロ」「遅刻常習」「ワンマン気質」「モラハラ・パワハラ発言多数」…と、ボロボロの評価に。

不倫相手にも横柄なLINEを

 玲奈さんは続ける。

「LINEでも、不倫相手の弥生にこんな横柄な態度を取っていました。

――30分も遅刻して、謝りもしないって非常識!

――たかが30分だろ?うちの嫁なら1時間でも笑顔で待ってるけど。

――奥さんを引き合いに出すなんて最低。

――その最低男とラブホ行ってるのは、どこのアバズレよ?

 こんなやりとりを見て、笑いが止まりませんでした」

女医の執念が結実する日

 不倫発覚から「勘違いの最低男」育成まで、わずか半年。

 玲奈さんは今後、彼がリストラされたタイミングで、不倫の証拠を突きつけて離婚し、しっかり慰謝料も取る計画だという。

――冷静に計算された、緻密な報復のシナリオ。

 傷つけられたプライドは、復讐心という名の刃へと変わり、彼の人生を切り裂いていく。

(蒼井凜花/作家・コラムニスト)

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