空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク

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コクハク

ホラーブームはアニメ界にも進出

 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「変な家」や、こちらも同様の形で話題を集め、2025年8月に実写映画が公開予定となる「近畿地方のある場所について」。

 また直近では「イシナガキクエを探しています」「魔法少女山田」などのショートホラードラマが放送されネットでも話題を席巻したり、「行方不明展」や「1999展」といった、お化け屋敷ともまたひと味違う“体験型ホラー展示会”も複数開催されています。

 元々怖いものが好きな人はもちろん、中には「従来のホラーコンテンツは苦手だけど、最近のショートドラマや展示会なら楽しめた」という人もいるのではないでしょうか。

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 このようなホラーブームの影響を受けているのは、実はドラマや映画、小説だけではありません。近年は立派な大人の娯楽のひとつとなりつつあるアニメも、特に今夏の放送は注目のホラー作品が目白押しとなっているんです。

 平成に流行した作品のリメイクなど注目のコンテンツが満載な今期。そこでカルチャーに精通し、数々のアニメ系媒体で執筆するライターの曽我美なつめさんに注目の作品を聞きました。

令和に「地獄先生ぬ~べ~」がカムバック!

「まず、大人世代に教えたいのが平成にホラーアニメとして人気を得た『地獄先生ぬ~べ~』が、令和の夏にカムバックすること。『地獄先生ぬ~べ~』といえば、90年代の少年ジャンプ人気を支えたマンガでもあり、アニメ史にも燦然と刻まれている名作のひとつです。

 ぬ〜べ〜が妖怪や悪霊を退治するストーリー。コメディ色が強い印象ですが本格的な恐ろしいエピソードも多々あり、当時の子どもたちにトラウマを植え付けたことでも有名ですね。

『うる星やつら』や『らんま1/2』、『るろうに剣心』などの平成アニメリバイバルブームの一潮流ともなっている本作。子どもの頃、怖い物見たさでアニメを恐る恐る見ていた人もきっと多いはず。

 装いも新たになった主人公・ぬ〜べ〜こと教師・鵺野鳴介の活躍を、大人になった今改めて見る事で、当時は気づけなかったたくさんの発見があるかもしれません」

口裂け女、二宮金次郎…懐かしい都市伝説が満載『ダンダダン』

「また大勢のアニメファンが心待ちにしていた『ダンダダン』も、今クールで2期が放送が開始。幽霊は信じても宇宙人は信じない女子高生・モモと、宇宙人は信じても幽霊は信じないオタク・オカルンのコンビによるオカルティック怪奇バトルです。

 昨年の1期放送開始時にはCreepy Nutsの主題歌『オトノケ』や、ウルトラマンなど往年の特撮映像を彷彿させるオープニングに注目が集まりました。

 都市伝説がベースとなっており、「私キレイ?」と囁く“口裂け女”を思い出させるカシマレイコや、二宮デスロード金次郎という学校の七不思議を元ネタとした怪異が登場し、子どもの頃の恐怖を思い出すことができるはずです。

 今夏放送されているアニメ2期では新たなキャラクターたちも物語に本格参戦。次々にあちこちで巻き起こる怪異たちとのバトルも、どんどん見逃せない展開となっていきます」

流行りのBL入門編としても『光が死んだ夏』

「近年、実写ドラマや映画でも注目が集まっているBL。今期ドラマでは風間俊介さん主演の『40までにしたい10のこと』(テレビ東京系)も人気ですよね。

 男性同士の深い関係性に興味があるものの、本格的なBLはちょっと…という方にもおすすめなのが新進気鋭の作家・モクモクれん氏によるマンガを原作とする『光が死んだ夏』です。



 主人公・佳紀と仲の良い幼馴染・光。2人は田舎にある山間の町で暮らす高校生ですが、ある日光は山での遭難をきっかけに、人ではない“何か”になって戻ってきてしまいました。隣にいるのは、光の姿をした光ではない“何か”。けれどもう二度と、幼馴染である彼を喪いたくない。

 そう思い、光ではない“何か”と共存することを選んだ佳紀。ですが幼馴染2人の暮らす町は、光ではない“何か”の影響で少しずつ環境が歪み始めていきます。人ではなくなってしまった親友と、離れるべきか否か。

 ゾクッとする展開と併せて、主人公二人の男子高校生らしいもどかしさ&不器用さと、人を傷つける危うさを孕んだ依存的な執着感情。一見相反するような要素を巧みに両立させた、異色のブロマンスホラー作品ともなっています」

怖いだけじゃない「アニメ」でホラー体験を

 この他にも人気作の続編となる「地縛少年花子くん2」や、こちらも人気マンガを原作とする「出禁のモグラ」など、2025年夏アニメには妖怪や地獄、あの世などを主題にした作品が大豊作となっているとのこと。

 その背景には間違いなく、昨今さまざまなカルチャーでホラーが注目を集めている事も理由のひとつとなっているのでしょう。実写映画や体験コンテンツはやっぱり怖い…という人も、架空の物語を描くアニメの世界なら、もしかしたら今トレンドを席巻する「ホラーの世界」を楽しめるかも。

 時々笑えて、時々切なくて、そしてちょっぴりゾクッとしたり、ビクッとしたり。大勢を魅了するホラーコンテンツを、この夏はぜひアニメでも楽しんでみてはいかがでしょうか。

(曽我美なつめ/ライター)

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