著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

カナダの研究が明らかにした「食習慣」と「悪夢」の関連性

公開日: 更新日:

 欧米では、食事内容が睡眠の質や夢見に影響を与えると信じられてきました。米国の漫画家、ウィンザー・マッケイによる「レアビット狂の夢」という作品では、登場人物がチーズトーストを食べると、さまざまな悪夢を見てしまう様子が描かれています。

 夢見の頻度について、これまでに報告されている研究によれば、農薬や化学肥料を用いていないオーガニック食品を好む人で多い傾向にある一方、ファストフードを好む人では低い傾向にあることが示されていました。しかし、食習慣と悪夢の関連性について、質の高い研究データは限られていました。そのような中、食事内容と睡眠や夢見との関連性を検討した研究論文が、心理学の専門誌に2025年7月1日付で掲載されました。

 カナダで行われたこの研究では、心理学を専攻している大学生1082人(平均20.3歳)を対象に、オンラインアンケートを実施しています。食事内容、健康状態、性格特性、睡眠の質、夢見の頻度、悪夢の頻度などが調査され、食習慣と睡眠状況や夢見との関連性が解析されました。

 その結果、研究参加者の40.2%で、特定の食事が睡眠を悪化もしくは改善させると報告していました。このうち、食事が夢に影響を与えると認識していた研究参加者は5.5%で、夢をより鮮明にする(54.5%)、より愉快にする(23.9%)、より不穏にする(57.4%)、より奇妙にする(60.0%)などの変化が報告されました。また、夢を不穏なものに変化させる要因として、甘い食べ物(31%)と乳製品(22%)が多く挙げられました。

 論文著者らは「不健康な食生活は、より不穏な夢と関連している可能性がある」と結論しています。

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