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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

肥満は短命と関係…「体脂肪率」は「BMI」より役に立つ?

公開日: 更新日:

 肥満糖尿病や高血圧心臓病などのリスクになり、健康寿命を縮めることは、これまでの多くの研究により証明されている事実です。

 肥満の診断のために、最も広く使われているのは「BMI」という指標です。これはキログラムの体重を、メートルの身長で2回割り算して得られる数値で、その値が25を超えると肥満と診断されています。

 しかし、ポッコリお腹の人では、明らかに内臓脂肪が多そうなのにBMIは正常ということがしばしばあります。そこでメタボの検診として使われているのが、お腹回りを計測する「腹囲」という指標です。ただ、この数値は日本と海外とで基準が違うなどの問題があります。

 また、体重計などの健康器具では、「体脂肪率」という数値が簡単に測定されています。

 この3つの指標のうち、どれが一番健康リスクと関係が深いのでしょうか? 今年の家庭医学の専門誌に掲載された論文では、この3つの指標の比較を行っています。

 アメリカで20歳から49歳の一般住民4252人を15年観察したところ、腹囲や体脂肪率の数値が高いことと、総死亡のリスクが高いこととは関連がありましたが、BMIと総死亡のリスクとの間には、そうした関連は認められませんでした。

 肥満のリスクをBMIだけで判断することは、あまり科学的ではなく、腹囲や体脂肪率を含めて、総合的な判断が必要であるようです。

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