著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」「大人のブルーハーツ」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた最新刊「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)が絶賛発売中。ラジオDJとしても活躍。

とてもニューミュージック的な欽ちゃんの素人いじりとアドリブ感覚

公開日: 更新日:

1975年のテレビ界①

 今回は特別編「1975年のテレビ界」。

 この年のテレビ界MVPといえば、この人しかいない──萩本欽一

 4月から始まった新番組、フジテレビ系「欽ちゃんのドンとやってみよう!」。略称のほうが有名だろう──「欽ドン」。

 当時、土曜日の夜といえば、TBS系「8時だョ!全員集合」が「お化け番組」として君臨。その高視聴率はいかにも盤石と思われていた。

 しかし萩本欽一は「お化け番組」攻略という、無謀な挑戦に成功する。

 対立軸は、綿密なリハーサルを繰り返した計算ずくの笑いが売りの「全員集合」に対して、素人(からのハガキ)を生かして、アドリブの笑いを当意即妙に生み出していく「欽ドン」。

「バカウケ・ややウケ・ドッチラケ」のような流行語を生みつつ、「欽ドン」の人気はうなぎのぼり。番組開始から約半年後、「欽ドン」の視聴率が、ついに「全員集合」を上回るのだ。

 それまでも萩本欽一は、コント55号として、坂上二郎を相手に、アドリブの応酬で責め立てるコントで人気を博していた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵含むプロ注目の高校生「甲子園組」全進路が判明! 県岐阜商・横山温大は岐阜聖徳学園大へ

  2. 2

    佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れていた

  3. 3

    世界陸上で注目のイケメン応援サポーター「K」って誰だ? 織田裕二に負けず劣らずの陸上愛

  4. 4

    15年前に“茶髪&へそピアス”で話題だった美人陸上選手は39歳、2児のママ…「誹謗中傷もあって病んだことも」

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(44)玄関で“即挿れ”&即帰、次へハシゴ…「湧き出る欲望に正直なんだ」

  1. 6

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  2. 7

    焦る高市早苗氏“八方美人”路線の成否は…総裁選出馬会見で野党に露骨な秋波、公明党もヨイショ

  3. 8

    新庄監督の去就は“白紙”と強調…日本ハム井川伸久オーナー意味深発言の真意

  4. 9

    星野監督の鉄拳は「戦略」だった…楽天時代の俺は分かった上であえて皆の前で怒られていた

  5. 10

    U18高校代表19人の全進路が判明!プロ志望は7人、投手3人は中大に内定、横浜高の4人は?