「下手やねん」だからこそ ロッチ・中岡が生み出す素朴な″素人感″の魅力
その1カ月後、ネタ番組に出演できる機会があったが、そこで審査をしていた山城新伍に「お前が足引っ張ってんだ!」と言われたのだ(光文社「WEB女性自身」25年6月20日)。5年のブランクがあり、素人のように声も小さく、ネタも飛ばしてしまっていたからだ。そこからしばらく、中岡はイップスのような状態になってしまったという。
そんな中岡を見捨てず、彼がやりやすいネタをコカドが作っていくうちに、ネタに定評のあるコンビとして頭角を現していった。だが、思わぬ形で中岡は“大ブレーク”を果たす。ドッキリ番組での素直なリアクションが評価されて「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)に抜擢されたのだ。
その中岡に対し、公私ともに仲の良い出川哲朗から「リアクションするな。中岡はそのままの人間だから、わざとらしくしないほうが面白いから。ただただ一生懸命やったらいい」(朝日放送「やすとものいたって真剣です」20年9月24日)と助言された。笑福亭鶴瓶もロッチが「大好き」と評している。
「アマチュア感がめっちゃあんねん。大事なんですよ、新鮮さが。マンネリがないんですよ。下手やから。特に中岡は下手やねん」(テレビ東京系「チマタの噺」20年10月27日)
冒頭の番組では「のんびりロケが増えてきて、それは居心地がいいんですよ。『そっちに甘えすぎてるな』って思ってたところ」と語っていた中岡だが、その素朴な“素人感”こそが、彼の魅力だ。



















