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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

きしたかの・高野正成の絶叫は、剣道の胆力と美意識との葛藤の果てにある

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 結果、「【ドッキリ】謎解きは脱出ゲームに関係無く、出口の扉が重いだけで怒らせたい。」などの動画が大バズリ。「ここでこういうこと言ってくれたらいいな」ということを、全部言ってくれるのが高野のスゴいところだと岸は言う(blueprint「Real Soundテック」23年1月3日)。

 ところで、高野は学生時代は剣道部。東京都の団体で優勝、個人でも5位の実力者。その練習で「太鼓」というものがあった。先生が太鼓を鳴らすと、もう一度鳴らすまでひたすら打ちまくる掛かり稽古だ。本来は5分程度。それくらいが限界だからだ。だが、時に1時間近くやることもあった。そこで「何事もいつかは終わるってこと」を学び、「本当に精神崩壊しそうな時もありますけど、なんとか最後までカメラの前にはいてやるぞ」という胆力と忍耐力が培われた(マガジンハウス「Tarzan Web」26年1月16日)。

 一方で、高野は潔癖なくらい「裏は見せないもの」という美意識があった。だから、ドッキリを仕掛けられるたびに「自分にはお笑い始める前の『芸人ってカッコいいよな』っていう美学みたいな妄想があるのに、ずっと『お前は違うよ』って言われてる感覚」(同前)がある。その葛藤の果てにある絶叫だからこそ、高野は見るものの心を動かせるに違いない。

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