カンヌ映画祭で話題 ミステリー時代劇の流れを汲む謎解きの面白さ

公開日: 更新日:

 他にも村重の家臣役で宮舘涼太オダギリジョー、青木崇高、ユースケ・サンタマリアなどが出演し、城を守るスナイパーの雑賀衆の一人で柄本佑が登場するなど、出演陣は豪華そのもの。また作品の作りとして黒沢監督は、黒沢明監督の「蜘蛛巣城」(1957年)などを参考に、オーソドックスな時代劇を目指したという。一方で本作はミステリーの謎を話し合う会話劇でもある。村重と官兵衛が話す広大な地下牢をはじめ、通常の時代劇とは違った広い空間が出てくるが、その中で人物が動き回りながら芝居をするのは、黒沢映画の特徴。初の時代劇でも自分のスタイルを貫いて、動くことによってキャラクターの魅力を際立たせる監督の演出が印象的だ。

 ミステリー時代劇としては2月に公開されて続映している「木挽町のあだ討ち」もあり、間もなく興行収入10億円に手が届くスマッシュヒット。時代劇といえば血なまぐさいチャンバラやウエットな人情劇だったのは昔の話。ミステリー時代劇は別の面白さを提供している、本作も流れに乗ることができるか。その可能性は十分に感じられる、娯楽大作になっている。 

(金澤誠/映画ライター)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    江角マキコさん「落書き騒動の真相」を初めて語る…人気YouTuberの配信に抗議

  2. 2

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  3. 3

    消費税減税打ち切り時の現金支給案に経済界が不満「結局は時間とコストのムダ」

  4. 4

    横綱豊昇龍の休場より気がかりな“心の不調”…不眠と食欲減退で体重約10キロ減の不安

  5. 5

    東京の下町3兄弟「足立・葛飾・江戸川」安さだけじゃない意外な魅力 問題視された治安は今や改善

  1. 6

    テレ東「日本3大吞み食べドラマ」でも栗山千明「晩酌の流儀」に注目するワケ

  2. 7

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 8

    「カレーハウスCoCo壱番屋」の“親離れ”は吉と出るか? ハウス食品が株売却検討の波紋

  4. 9

    「男系」どころか「フカ系」? 神武天皇を持ち出す"皇統2600年論"と神話の奇妙な関係

  5. 10

    裁判沙汰…これは、むごくないか自治医大の奨学金制度