衝撃の“地味教師”矢沢永吉はドラマ史に残る

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 さらに衝撃だったのが、演じた役。リーゼントでバリバリの破天荒ロックンロール教師かと思いきや、前髪を少したらした、実に地味でおとなしい臨時教師だった。まあ、缶コーヒー「BOSS」のCMで地味リーマンを演じて話題になったころだから、その延長線上かもしれないけど。

「GTO」の鬼塚英吉とは真逆の地味教師が、当時の“イマドキ”の高校生と向き合う話。実は生徒役も豪華だった。井ノ原快彦長瀬智也松岡昌宏らデビュー前のJ勢に、小沢真珠、加藤晴彦、小島聖、西野妙子、村上淳、岡田義徳……数年後に露出が増えていくスターの卵がわんさか出ていた。

 で、そんな生徒たちよりも演技はたどたどしかったエーチャン。逆にそれがセリフの説得力を増していたともいえなくもないけど。武道館ライブの日には九段下周辺を赤いYAZAWAタオルで染めていたファンにしてみれば、がっかりだったかもしれない。

 ただ、ドラマと同名のオープニングテーマはメッセージ色の強いロック。人の群れをアリになぞらえて「Whyなぜに生きているのか」と問いかけるYAZAWA節だった。おっと、作詞は秋元康。こんなとこにも絡んでいたか。

 視聴率では「家なき子」に遠く及ばなかったけど、44歳の矢沢永吉が地味な教師を演じたという一点だけでも、ドラマ史に埋もれさせてはいけない。

(テレビコラムニスト・亀井徳明)

【連載】あの頃、テレビドラマは熱かった

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