【ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?】ベトナムで婦女子を殺戮した米国人の後悔と悪夢
本作を見ながら、さまざまなことを考えた
戦争の狂気は人の心をむしばむ。それゆえアレンは苦しむのだが、医師のカウンセリングによって、新たな生き方を見出すこととなった。
本作を見ながら、さまざまなことを考えた。筆者は大学生のころ、横浜の塗装工事会社でバイトしていた。その店主は40代で、数年前に終結したベトナム戦争について「あれは日本に利益をもたらした。戦争をやるならどうぞやってください。その分、日本は儲かるんだから、大いにけっこうだ」と笑っていた。ベトナム戦争が侵略戦争で、多くのベトナム人犠牲者を出したという概念は頭にない。その店主は自民党員で「自由新報」を定期購読していた。
アジア太平洋戦争についても考えてしまう。日本はアジア諸国に軍隊を派兵して殺戮を行い、多大な迷惑をかけた。だが現今の自民党議員や右翼勢力は「あれはアジアを解放するための聖戦だった」と言い張って譲らない。本作のアレンのような自省の念はかけらもなく、「俺たちの国日本は正しかった」という歴史修正主義に凝り固まっている。
高市早苗などは衆議院当選1期目の1994年、村山富市首相の大戦を巡る謝罪発言に対して「勝手に代表して謝ってもらっちゃ困る」と国会で堂々と難癖をつけた。さらに高市は「私自身は当事者とは言えない世代だから反省なんかしていない。反省を求められるいわれもない」と語っている。
この高市早苗が政権を握り日本を戦前の暗黒に向かわせている。国民もその動きを支持して選挙で大勝させた。そんな時代だからこそ、この「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」をより多くの日本人に見て欲しいと思うのだ。(配給=キノフィルムズ)
(文=森田健司)



















