著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

9.11から25年でも終わらない健康被害…がん支援を受ける被災者が向き合う「次の25年」

公開日: 更新日:

 安全と言われていた空気が、実は汚染されていた──。アメリカ同時多発テロから25年を迎えたここニューヨークでは、新たな健康被害への懸念が高まっています。今回公開されたテロ後の大気汚染に関する資料により、当時の発表とは裏腹に、この時発生したアスベストなどの有害物質が、長期間にわたって周辺に残っていたことが明らかになったからです。

 2001年9月11日、ハイジャックされた旅客機2機がニューヨークのワールド・トレードセンタービル2棟に相次いで突入、ビルは倒壊し2753人が犠牲になりました(テロ全体では2977人)。現場周辺は粉塵や煙に覆われましたが、当時のジュリアーニ市長や連邦政府は、「空気は安全」と繰り返していました。

 しかし、今回公開された資料から、テロから10カ月後、発がん物質のアスベストなどが近くの建物から検出されていたことがわかりました。「安全」とした当局の説明に対して失望や怒りの声が上がった反面、大気汚染自体に関しては、それほど驚きはありません。

 なぜなら、ニューヨークでは救助活動にあたった消防士や警察官、復旧作業員、近隣の住民などの間で、呼吸器系疾患やがんなどの発生が相次いだからです。「9.11病」と呼ばれるこれらの病気で亡くなった人の数は、現時点で当日の犠牲者を超えています。

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