むくんでいるのに脱水…高齢者に潜む「血管内脱水」と腎障害
「足がむくんでいるのは、水分の取り過ぎが原因に違いない」──そう考える人は少なくない。たしかに、塩分の多い食事や水分バランスの乱れによって、体に余分な水分がたまり、むくみが生じることはある。しかし、高齢者では事情が異なる。足がパンパンにむくんでいるにもかかわらず、血管の中では水分が不足し、腎臓がダメージを受けているケースがあるのだ。「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。
この一見矛盾した病態は「血管内脱水」と呼ばれることがある。
医学的には「有効循環血液量の低下」と考えられ、高齢者医療では重要な概念だ。
「人間の体の水分は、すべてが血管の中を流れているわけではありません。細胞の中や細胞の周囲にも存在し、それぞれが適切なバランスを保っています」
ところが、心不全や慢性腎臓病、肝硬変、低アルブミン血症などでは、水分の分布が乱れる。水分が血管の外へ移動し、足や肺にたまる一方で、血管内を流れる血液量は減少する。
つまり、「体には水が余っているのに、腎臓へ届く血液は不足している」という状態になる。


















