「修辞的思考」香西秀信著│有名な文学作品を取り上げ、新しい観点からの読み方を提示
「修辞的思考」香西秀信著
著者は「修辞的思考」を「説得を志向する思考」と定義。説得にとって、論理的であること(正確に推論・論証されていること)は必須ではない条件のひとつに過ぎないという。ゆえに、修辞的思考は論理的思考と対立的・相補的関係にあるというよりも、むしろそれを包含する関係にあると。
本書は、有名な文学作品を取り上げ、その具体的文脈の中で働く言語表現(レトリック)に注目し、それを生み出した修辞的思考について分析・解説したテキスト。
シェークスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」のブルータスとアントニーの有名な演説の場面や、ドストエフスキーの「罪と罰」で展開される主人公の犯罪理論、中島敦の「山月記」の語り手・李徴の心理など、修辞的思考という観点から新しい読み方を提示する。 (筑摩書房 1320円)


















