「白鶴亮翅」多和田葉子著│ベルリン生活で異文化の歴史を持つ人々と交流
「白鶴亮翅」多和田葉子著
ある日、友人のパウラに呼び出されたミサが外出しようとドアを開けるとMさんが立っていた。頼みたいことがあるというが、時間がなく、用件を聞かずにそのまま出かける。夫についてドイツに渡ったミサは、夫の帰国後もベルリンに残り、最近、この地区に引っ越してきた。Mさんは隣家に住む老人で、話すのは今日が3回目だった。
パウラの頼みとは、家の前の木に日本人らしい若くはない女性が登って高い枝に腰かけており、警察には救助を要請したが、言葉が通じず、救助が到着するまでじっとしているように伝えて欲しいというものだった。数日後、ミサはMさんの頼みごとが気になるが、旅行に出かけているのか家を訪ねても応答がない。
異文化の歴史を持つ人々と交流しながら生きるミサの目を通し、世界を再構築する長編小説。 (朝日新聞出版 1210円)


















