「君が手にするはずだった 黄金について」小川哲著│直木賞作家・小川哲が自分を主人公に描く連作短編集
「君が手にするはずだった 黄金について」小川哲著
2010年、大学院生の小川は、就職活動をしてみることに。部屋に散らばる本を眺め、本に関わる仕事をするべきなのかと思い、新潮社のエントリーシートに取り組み始めるが、「あなたの人生を円グラフで表現してください」との質問で手が止まってしまう。人生は幅広い概念で、時間や経歴などさまざまな側面があり、カテゴリーを揃えようとすると嘘っぽくなってしまうし、模範的な回答を書こうとすると、哲学者のギルバート・ライルのいう「カテゴリー・ミステイク」を犯してしまう。ぐるぐると思考を巡らし、いまだに完成しないエントリーシートについて、交際中の美梨に相談すると、就職活動はフィクションなのだから、小説を書けばいいと言われる。(「プロローグ」)
直木賞作家・小川哲を主人公に描く連作短編集。 (新潮社 693円)


















