暴力金融に食い物にされ死期を早めた水原弘

公開日: 更新日:

 死に至った直接の原因は酒である。兄貴と慕っていた勝新太郎の生き方に憧れ、取り巻きを引き連れて毎晩のように高級クラブをハシゴし、ブランデーを浴びるように飲んだ。こうした生活でむしばまれたのは肝臓だけではなかった。

「宵越しの金は持たないと豪遊を続けた結果、74年夏ごろには3億5000万円もの借金を抱えてしまった」(芸能記者)

 10日で1割というタチの悪い借金まで含まれていた。目付きのよくない連中が楽屋にまで押しかけてくるようになった。借金地獄に陥った水原が泣きついた先は、芸能人専門金融を看板に掲げるTだった。

「返済計画を任せる代わりに、営業権を譲渡するという契約を結んだ。74年当時、彼を救世主と評した週刊誌もあったが、実際は芸能人を食い物にする暴力金融業者だったんです」(同)

 長年の深酒がたたり、すでに体が言うことを聞かなくなっていた水原に、Tは無理なスケジュールを押しつけた。取れる仕事はすべて取り、連日キャバレー回りを強いられた。77年2月、水原はついにダウン。肝臓悪化を示す黄疸(おうだん)も出ており、診断した医師から「このままの生活を続けたら1年以内の命」と警告された。それでもTは水原を休ませなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?