しりあがり寿さん<4>「ハートランド」の開発チームに抜擢
1985年の夏、結婚したその年に、しりあがりさんは漫画家としてデビューする。最初の単行本、「エレキな春」(白泉社)を出版したのだ。
「入社5年目のときです。会社には就業規則があり、バイトしちゃダメと決まっています。ただ、社内で同人誌を売ってたんでボクが漫画を描いてることは知られていました。で、考えたんです。もし、売れてしまったら一大事! 先に部長にひと言伝えておいた方がいいなと。怒られた? そうじゃないんです。
部長は“休日に漫画を描くのは自分たちがゴルフをするようなもの。構わないよ”と。部長だけでなく、みんながボクが漫画を描くのを守ってくれました。ホント、人に恵まれていましたね。もっとも、コレで“あんまり変な漫画は描けないぞ”って、プレッシャーがあったのも事実。正直、けっこう、ビクビクしてましたから。ハハハ」