河合敦さん<1>東京都の高校日本史の教員試験倍率は約40倍
「世界一受けたい授業」などのテレビ番組出演や、200冊を超える著作でおなじみの河合敦さん。話を聞いていると、“日本史って面白い”という気分になってしまうから不思議だ。前職は教師。1989(平成元)年に東京都の教員に採用され、24年間、教壇に立った。その教師人生は――。
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「最初に教師になろうと思ったのは、中2のころ。TBSドラマの“金八先生”を見て憧れたんです。高校に入って、金八先生が憧れていた坂本竜馬を描いた小説、“竜馬がゆく”を読んで感激。日本史の先生になろうと。それで竜馬の研究がしたくて、大学は史学科を選んだんです。
で、バブル絶頂期の1989年に、なんとか東京都の教員に。こういうと、簡単に教師になれたみたいですけど、そうでもない。あの当時、教員の採用は本当に少なかった。私の年で高校日本史の採用は10人くらい。そこへ400人くらいが受けたんですから。バブル期だったんで、民間企業なら入りたい会社に入れる雰囲気だったけど、教員採用は、ざっと40倍。たぶん弁護士になるより倍率が高かったと思います」