小島慶子さん<2>見た目で判断される“女子アナ”に違和感
念願通りアナウンサーとなったが、新人時代は“問題児”だった。入社して間もない4月に、先輩アナウンサーの長峰由紀さんが司会を務めるBS番組に出演。「4月に入社した小島慶子です!よろしくお願いします!特技は華道です!」と挨拶した。この頃から「すでに調子に乗っていました」と振り返る。5月に企業研修、6月にアナ研修を行い、7月3日に全国ネットの番組への出演が決まっていた。
「6月の1カ月間は、発声練習、フリートーク、ニュース原稿読み、実況など、先輩アナウンサーからみっちり指導されました。1カ月の半分くらいは、他局と合同で研修です。そのため人数も多くて、1人ずつ原稿を読み上げていると、待ち時間も長い。聞くのも勉強なのでしょうが、飽きちゃって……。順番待ちの間は、授業中にもかかわらず、就活でお世話になった方へのお礼状を書いていました。同期とふざけて笑ったりしたこともありましたね。『こんな新人、前代未聞です!』と、えらく怒られた記憶もあります。良き新人アナではありませんでしたね」
カミナリを落としたのは大先輩の吉川美代子アナ。ニュース原稿の授業中だった。発声練習やフリートーク、原稿読みがひと通りこなせた小島さんは、いい気になって油断していたのだ。恐れを知らない新人だった。