小島慶子さん<3>お涙頂戴に仏頂面で大物司会者と共演NGに
入社3年目になると、ひと通りの仕事はこなせるようになってきた。日の当たらない“番宣”にも前向きに取り組んだ。
「新番組の紹介って、当時は“二軍”のディレクターとアナウンサーがやるものだという暗黙の了解みたいなものがあったんです。私も一時期は番宣ばかりやっていました。でも、それが私にはとても楽しかった。たとえ10分番組でも、ディレクターと一緒にひとつのものを作り上げることに、やりがいを感じていました」
アナウンサーという立場にこだわらず、企画もどんどん提案。それが意外な縁を引き寄せることになった。
「ある日、『世界ふしぎ発見!』の番宣で、メーク室にいる出演者に探検隊の格好で突撃インタビューすることになりました。でも、それだけではつまらない。ほふく前進をしながらメーク室へ行くことにしたのです。顔に泥のメークもして、床を這って。そんな姿を見た『世界ふしぎ発見!』のスタッフが、ミステリーハンターをしませんかと声をかけてくれました。ただ、局アナが2週間も海外ロケに出かけるのは前例がなく、すぐにはオーケーが出なくて……」