猪羽恵一
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猪羽恵一本郷美術骨董館 副代表

本郷美術骨董館・副代表。国内外の美術品・骨董品を取り扱う業界の最大手。全国各地で鑑定会を行っている。専門分野は絵画。

岸田劉生は最初ゴッホのような絵を描いていた

公開日: 更新日:

 有名画家の“知られざる一面”シリーズ。今回から岸田劉生(1891~1929年)を取り上げたい。何かとネタが尽きない作家でもある。

 劉生といえば、読者はすぐさま《麗子像》を連想するだろう。しかし初期の頃はゴッホのような絵を描いていた。

 劉生は美術学校には行っていないが、絵はうまかった。18歳の頃から葵橋洋画研究所(美術学校の予備校)で黒田清輝に習った。うまいから展覧会にも出してもらったが、自分では何か物足りなかったようだ。ある日、雑誌「白樺」に載っているゴッホに衝撃を受けて、ゴッホのような絵ばかり描くようになった。

 もちろん模写ではなく、エッセンスや精神を取り入れたといった方がいいかもしれない。これが重要で、絵というものはうまく写生するという行為だけでなく、“自分の好きな物を好きなように描く”行為に変えていったのだ。これをきっかけに制作意欲は止まらず、セザンヌやデューラーらも取り入れ、試行錯誤の結果、麗子像に代表される神秘的な写実の世界に到達するのであった。

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