猪羽恵一
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猪羽恵一本郷美術骨董館 副代表

本郷美術骨董館・副代表。国内外の美術品・骨董品を取り扱う業界の最大手。全国各地で鑑定会を行っている。専門分野は絵画。

高橋由一作の油絵《鮭》は見せ物小屋に陳列されていた

公開日: 更新日:

 高橋由一(1828~94年)の名前を知らなくても、高橋由一が描いた油絵《鮭》は教科書や切手などで、ご存じだと思う。半身を切り取られた新巻き鮭が、わら縄で吊るされた超リアルな描写が目に焼き付いているはずである。

《鮭》は明治の初期に何枚か描かれたひとつで、東京芸大資料館の収蔵品が重要文化財に指定されている。さて、この絵は、どのようにして世の中に登場したのか。

 時代は明治維新も終わったばかり。上野には美術館もなければ、美術という言葉さえなかった。東京の繁華街は浅草であって、浅草花屋敷ではさまざまな催しが行われていた。見せ物小屋は、ジオラマや舶来品、珍奇物などをのぞき眼鏡で見るイベントだが、これが大評判で、西郷隆盛も見に来たそうだ。

 これを催した淡島椿岳は莫大な利益を得た。そんな中、リアルな油絵は目新しく、人気があり、その一角は「油絵茶屋」とも呼ばれた。カラー写真はおろか、写真そのものがほとんどない時代。そうした時代背景から《鮭》は生まれた。

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