外国人客に支えられた伝説的旅館のどん底と一条の光

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「旅館 澤乃屋」店主 澤功さん(2)

 東京・谷中で創業して71年になる「旅館 澤の屋」。利用者の9割が外国人観光客で、全12室の年間稼働率が約95%という驚異的な数字を維持する伝説的な旅館だ。国が選定する「観光カリスマ」でもある2代目館主、澤功さん(83)家族のおもてなしと町ぐるみの国際交流が注目され、これまで92カ国、延べ20万人を受け入れてきた。

 ところが、新型コロナウイルスの影響でキャンセルが相次ぎ、今年4月からの半年間、外国人観光客の利用はほぼゼロ。

「ありえないと思いました。年間3000万人以上の外国人客が日本に訪れている中で、今年は東京五輪も控え、増えることはあっても減りはしないと思っていた。数カ月後まで予約がいっぱいなのが普通だったのに4月から予約表が真っ白ですからね」

 生活リズムも狂った。毎朝6時半に起床して受け付けなど業務をこなし、23時に寝る規則正しい生活を送っていたが、宿泊客が誰もいないと何時に起きていいか、何をすればいいか分からなくなり、暇な時間に不安が募るようになったという。

「このままでは潰れてしまう。借金もあるし、これからどうやって生きていこうか」

 そこまで思い悩んだ。

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