ネアンデルタール人の遺伝子でコロナ重症化リスクが3倍に
コロナにかかると重症化しやすい遺伝子が解明された。
進化遺伝学の世界的権威スバンテ・ペーボ教授(マックス・プランク進化人類学研究所=ドイツ)らが論文を発表した。今年7月から注目されていた研究で、先月30日に英科学誌「ネイチャー」に正式に掲載された。
もともとコロナの重症化に関連する遺伝子の存在は、新型コロナの遺伝研究に特化した国際プロジェクト「The COVID-19 Host Genetics Initiative」が報告していた。同プロジェクトは、科学研究や各国の施策に役立ててもらうことを目的に、データの共有や分析を行っている。
ペーボ教授らは、同プロジェクトによる報告をもとに研究を進め、コロナにかかった約3200人の入院患者を対象とした調査を行った。その結果、呼吸不全を引き起こすリスクを持つ遺伝子は、古代の旧人類であるネアンデルタール人から引き継がれた遺伝子だと判明した。この遺伝子を持っていると、重症化する可能性が約3倍になるという。