堤未果
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堤未果国際ジャーナリスト

東京都生まれ。NY州立大国際関係論学科卒、同市立大大学院修士号。国連、米野村証券などを経て現職。2008年「ルポ 貧困大国アメリカ」で日本エッセイスト・クラブ賞、中央公論新書大賞を受賞。先月、最新著「デジタル・ファシズム」(NHK出版)を発表した。

デジタル庁は発足から波乱続きも…「どうせ前途多難」となめてはいけない

公開日: 更新日:

 今年5月、63本もの関連法案を束ね強引に成立させたデジタル庁は、各省庁のデジタル技官を縦断的にまとめる代わりに、最強権力で上から束ね、巨額の予算を握る内閣の直轄機関として誕生した。今後、巨大な金脈になるIT利権を各省庁から剥がして一カ所に集め、その支配を握るこの省庁にビジネスのにおいを嗅ぎつけた企業が国内外から群がるだろう。

 職員は非常勤待遇や兼職容認で民間から集め、「回転ドア」で出入り自由にするという。企業に本籍を置いたままの民間人の利益相反や情報漏洩リスクを防ぐのは至難の業だ。いったい、誰のための個人情報一元化なのか?

 この間に政府は、〈世界一、企業がビジネスをしやすい国へ〉を掲げ、規制緩和を進め、随所にお友達優遇体質が見え隠れした。コロナ前も後も、その体質は1ミリも変わっていない。


 デジタルはそうした優遇を加速させる上、専門知識を持たない国民には何が起きているかが、ますます見えなくなるだろう。私たちにとって大切なことは〈デジタル〉という先鋭イメージや利便性にだまされず、その軸となる〈透明性〉と〈公正性〉を政府に要求し続けることだ。台湾のデジタル担当相、オードリー・タン氏はこう言った。

「デジタル化を成功させるには、絶対に、権力を一カ所に集中させてはなりません」(つづく)

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