年末年始は家族と過ごすもの?「帰省しない」という選択で女性が見つけた“最適解”

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コクハク

帰らなかった正月

 帰省することが当たり前だと疑いもしなかった。だけど、無理をして帰らなければいけないの? 「2025年は帰らない」という選択をした女性が辿り着いた“最適解”とは。

 友人の麻美(42)は、ここ数年、年末年始に実家へ帰っていない。

「最初はちょっと勇気いったけどね。でも今は、“帰らない正月”が一番ラク」

 そう言って、どこか晴れやかな顔をしていた。子どもの頃、年末年始は“家族と過ごすもの”だった。

 帰省ラッシュのニュースを見て、「大変そうだな」と思いながらも、それが当たり前の風景だと疑いもしなかった。

 大人になっても、その感覚はなかなか抜けない。年末が近づくと、自然と浮かぶのはこの選択肢だ。

・実家に帰る
・親戚に会う
・挨拶をする

 そこに「帰らない」という項目は、最初から存在しなかった。

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本当に心配してくれてるのはわかるけど

 麻美も長い間、そうだったという。 仕事が忙しくても、体調が万全じゃなくても、「正月くらいは顔を出さないと」と無理をして帰省していた。

「でもさ、帰ると必ず言われるじゃん。『結婚は?』『一人で寂しくないの?』『いつまでその仕事続けるの?』って」

 悪気がないのは分かっている。 心配してくれているのも、たぶん本当だ。それでも、その質問ひとつひとつが、麻美にとっては“確認作業”のように感じられた。

 ちゃんとしてる? 周りと比べて遅れてない? まだ間に合う? 年末年始は、なぜか人生を点検される。

「休みに来てるはずなのに、一番気を使って、一番疲れるんだよね」

ただ休みたくて…帰省しない年末年始を過ごした結果

 ある年、麻美は思い切って帰省しなかった。理由は単純で、ただ休みたかったからだ。

 誰にも会わず、掃除も最低限。好きな時間に起きて、好きなものを食べて、テレビもつけずに、静かに年を越した。

「最初は、“これでいいのかな”って不安だった。でもね、めちゃくちゃ心が休んだ」

 その感覚を知ってしまったら、もう元には戻れなかったという。

 年末年始は、家族と過ごさなければいけない。誰かと会わなければいけない。予定がなければ、寂しい。

 そんな“正解”に、私たちは長い間縛られてきた。でも、アラサー・アラフォーになると、少しずつ分かってくる。

 人に会わない時間も、ちゃんと必要だということ。誰にも説明しなくていい休日が、どれだけ貴重かということ。

会いたい時に会えばいい

 麻美は言う。

「会いたい人には、会いたい時に会えばいい。年末年始だからって、無理に会う必要ないよね」

 確かにそうだ。イベントがあるから会う、ではなく、会いたいから会う。それくらいの距離感のほうが、関係は長く続く。

 実家に帰らない正月も、ひとりで過ごす年越しも、何もしない三が日も、どれも“間違い”じゃない。

 むしろ、「自分にとって何が一番楽か」それを選べるようになった証拠だ。

 年末年始は、誰かに会うための期間じゃなく、自分の一年を静かに終わらせる時間でいい。会わない自由は、逃げじゃない。ちゃんと自分を守るための選択だ。

 みんなと同じじゃなくていい。それを自然に思えるようになったとき、私たちはもう、十分大人なのだと思う。

誰かの理解も承認もいらない

 麻美は今年も、年末年始の予定を誰にも説明しないつもりだという。

「聞かれたら、“ゆっくりするよ”って言うだけ。それ以上は言わなくていいかなって」

 その言葉を聞いて、私は少しうらやましくなった。年末年始の過ごし方を、誰かの理解や承認に委ねなくていい。それだけで、心はずいぶん軽くなる。

 会わない選択は、孤立じゃない。自分の疲れや限界を、ちゃんと分かっている人の判断だ。

自分の人生を生きる大切さ

 静かな正月を選べることもまた、大人になった私たちに許された、ひとつの豊かさなのだと思う。

 誰にも会わず、何も説明せずに迎える年末年始は、決して寂しい時間ではない。むしろ、自分の心の声を一番静かに聞ける時間だ。

 そう思えるようになった今の私たちは、もう十分、自分の人生を生きている。

(おがわん/ライター)

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