年末年始の高速道路渋滞を外す簡単な裏ワザ「混雑ピークの3時間前に通過する」

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 ガソリンの高騰が続く中、NEXCO3社などは2022年1月1~3日の三が日の「休日割引」を適用しないと発表した。休日割引とはETC利用の普通車と軽自動車の高速料金を3割引きにするもの。庶民にとってはまさに泣きっ面にハチで、それに加えて「魔の渋滞」も2年ぶりに戻ってきそうだ。

  ◇   ◇   ◇

 今年の年末年始は暦に恵まれず、正月休暇は6連休どまり。12月28日(火)が仕事納めで、1月4日(火)には早々に職場に復帰する人が多い。

 昨年は各都道府県知事が帰省の自粛を呼びかけていたが、現在はコロナ感染も小康状態。日本トレンドリサーチの調査では約4割が帰省を予定している。調査はオミクロン株が広まる前に聞いたもので、今後についてはやや流動的だが、東京都と神奈川県の人に聞いた別の調査では約6割もの人が「帰省する」と答えている。

 実際、JALやANAといった航空各社の年末年始の運航状況はコロナ前に戻っており、羽田と結ぶ札幌や那覇は臨時便を運航する予定。新幹線も新大阪-博多などは一部満席になっている。

毎年1月2日は《渋滞の特異日》

 では、年末年始の高速道路の混雑状況はどうだろうか。毎年発表されるNEXCO中日本の「渋滞予測カレンダー」は、コロナで交通状況が大きく変動しているとして今年は発表されていないが、似たようなカレンダー配置だった「2018-2019年シーズン」が参考になる。この年も28日仕事納め・4日仕事始めの6連休で、下りの渋滞は29日に始まり、Uターンの渋滞は元日夕方から始まっていた。

「とくに毎年1月2日は《渋滞の特異日》と呼ばれ、下りも上りも激しく渋滞することで知られます。帰省の混雑に加え、初詣や近場の旅行で移動が重なるためです。首都圏の人なら知っている人は多いでしょうが、箱根駅伝と重なる熱海・伊豆方面の道はさらに“地獄”のような渋滞に巻き込まれます」(自動車ライター・佐藤篤司氏)

「混雑ピークの3時間前に通過すれば、渋滞40キロの東北自動車道も30分で通過できる」

 2018-19年シーズンの「渋滞予測カレンダー」は別表の通り。実際に東名高速道路の下り「伊勢原バス停付近」で28キロ、関越自動車道上り(高坂サービスエリア付近)で24キロなど、ほぼ予測通りになった。今年はそこまでひどくはないかもしれないが、この年の渋滞予測カレンダーを参考にして出発日時を決めたい。

 まず、「下り」で避けたい日時だ。

「東名高速道路」は、30日の午前5時~午後3時がピーク時で渋滞が25キロ(横浜青葉IC→秦野中井IC)、31日も午前8時~午後4時が25キロ(同)だ。もし帰省するなら29日にしておきたいところだ。

「京葉道路」は1月2日の午前9時~午後3時を避けたい。成田や木更津方面への車で渋滞20キロ(原木IC→貝塚IC)。急に思い立って付近のアウトレットモールや成田山新勝寺に行く家族が多い。

「東名阪自動車道」は28日午前3時~翌1時が渋滞20キロ(桑名IC→亀山JCT)、29日も午前2時~翌2時が20キロ(同)だ。

「名神高速道路」は2日の午後3~9時が20キロ(湖東三山スマートIC→栗東湖南IC)でピークは午後5時だ。

 一方、「上り」の渋滞はどうか。故郷からの帰りに渋滞にハマり、疲れがどっと出る。

「中央自動車道」は1日午後2~9時が渋滞20キロ(大月IC→八王子JCT)。2日はその八王子ICから高井戸ICまで午前10時~午後6時に20キロだ。ラジオでよく聞く、「高井戸出口付近で渋滞20キロ」がこの場所だ。

「関越自動車道」は3日午前11時~午後8時(花園IC→鶴ケ島IC)と午後2~9時(水上IC→赤城IC)の2カ所で渋滞20キロが発生する。

「東名高速道路」は早くも30日の午後2~10時に渋滞25キロ(秦野中井IC→横浜町田IC)が始まる。1日正午~2日午前0時が30キロ(大井松田IC→横浜町田IC)、2日午前9時~翌1時が40キロ(御殿場IC→横浜町田IC)。さらに3日も午前9時~午後11時が35キロ(同)と、ほぼ全日渋滞といっていい。

「東名阪自動車道(伊勢自動車道)」は2日の午前9時~翌3時が20キロ(芸濃IC→四日市IC)。

「名神高速道路」は2日午後2時~3日午前0時、3日午前11時~午後11時が20キロ(養老JCT→一宮IC)。

「九州自動車道」は2日の正午~午後9時が渋滞20キロ(南関IC→久留米IC)。3日も午後2~8時が25キロ(菊水IC→久留米IC)だ。

 そして最も激しい渋滞が予想される「東北自動車道」は、2日午後2~9時が渋滞40キロ(栃木IC→久喜IC)。だが、東北自動車道はこの2日を避ければ、3日はピークでも20キロと混雑は少なくなる。

■29日~3日の都内はガラガラ

「渋滞を回避するための方法は簡単です。例えば、東北自動車道の栃木IC-久喜ICの間のピークは2日の午後5~6時で、この時間帯に最大40キロ渋滞、通過まで1時間20分。ところが、栃木ICを渋滞する3時間前の午後2時前または9時以降に通過すると、所要時間は約30分程度(通常は約25分)しかかかりません。つまり、一番に混む時間帯さえ外せば案外と渋滞しないのです。同じく関越自動車道も本庄児玉ICから鶴ケ島ICまで走る場合、渋滞ピークは午後4~6時が1時間10分もかかりますが、本庄児玉を正午前または午後10時以降に通過すれば、所要時間は約25分程度で済みます」(佐藤氏)

 同様に「渋滞の名所」である東名高速・大和トンネル付近も2日の上りは御殿場ICから横浜町田ICまで約2時間かかるところ、御殿場ICを9時以前に出ればわずか45分程度に短縮できる。ピーク時間帯を少し外すだけで、ドライバーのイライラはかなり減らすことができるのだ。

 ちなみに、警視庁の年末年始の東京都内の一般道路の渋滞予測では、29日から3日までガラガラでほとんど渋滞しない。

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