著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

岸田首相「開成愛」の薄さは“新高”出身だから? ソッケない態度に中学入試組との見えない壁

公開日: 更新日:

高校時代の岸田首相は「まったく目立たない生徒」

 それまで岸田は、千代田区立麹町中学に通っていた。かつて「番町小→麹町中→日比谷高→東大」が代表的なエリートコースだったが、67年の学校群制度導入で日比谷高は一気に没落。のちに衆院議員となる父・文武は旧東京高→東大という戦前のエリートコースを歩み、通産官僚になっていた。岸田もその背中を追い、高校で開成を選んだのである。

「まったく目立たない生徒だった。野球部に入りセカンドを守っていたのをかすかに記憶しているくらい」(前出OB)

 2005年、開成が全国高校野球・東東京予選でベスト16に進み話題になったが、当時の野球部は最弱。応援に行く生徒も少なかった。

「高校から入ってきた生徒は、なかなか開成に馴染めない。旧高(旧高校生=中学入学組)は数学などカリキュラムが相当、進んでいる。新高は1年間、別クラスで授業を受けるのだが、中にはついていけない生徒も出てくる」(元開成教師)

 だからといって、新高の愛校心が低いと決めつけることはできない。高校からの新入生は入学後すぐに洗礼を受ける。中学の新入生とともに、100年以上前から続く筑波大附属高とのボートレースの応援に駆り出され、開成魂を植えつけられるのだ。そのわりに、岸田からは母校への思いが伝わってこないとOBたちの多くが感じている。

「岸田さんを首相にするためにつくった開成出身の官僚や議員による応援団『永霞会』で事務局長を担い、菅内閣で大臣を務めた井上信治さん(開成高88年卒)に対しても、自身が首相になると冷遇。やはり新高だからかという話になっている」(開成出身の官僚)

 首相人気は落ちる一方だが、開成人気は相変わらず。昨年まで5年連続で開成中の入試応募者は1200人台を堅持。一方、麻布中は一昨年、1000人台から800人台まで減ったが、昨年は934人と盛り返した。運命の試験日は両校とも2月1日である。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった