「なんだか忙しい」と常に感じている人に知ってほしい「時間」に対する考え方

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「量ではなく質の時間」

 つまり、カイロス時間とは「量ではなく質の時間」という言い方もできます。

長年の努力が実を結ぶ瞬間。

大切な人と心が通じ合う瞬間。

子どもの成長に心から感動する瞬間。

新しい発見に胸が躍る瞬間。

 これらの時間は、たとえ短い時間(たった一瞬)だったとしても、私たちの人生に大きな意味を与えてくれますよね。これこそが、カイロス時間なのです。古代ギリシャ人は、この「カイロス」を、前髪は長いが後頭部には髪がない美少年の姿で表現しました。

「幸運の女神には前髪しかない」という言葉の由来です。

 その意味は、大切な「とき」は一瞬で過ぎ去るものだから、真正面から向き合い、しっかりとつかまなければならない、ということ。

 このように、カイロスは単なる「時期」や「機会」を超えて、人生における真に意味のある瞬間を指し示す、深い概念なのです。

■現代人は「クロノス」の捕虜になっている

 現代社会において、私たちは「クロノス時間」、つまり機械的に刻まれる「時計の時間」に支配されています。

 スマートフォンの画面を確認する回数を数えてみたことはありますか?

 アメリカの調査会社dscoutの調査によると、一般的なスマートフォンユーザーは1日に2617回も画面に触れているそうです。つまり、私たちは平均して33秒に1回はスマートフォンを確認している計算になります。

 そのせいで「カイロス時間」、つまり質や価値を重視する「意味のある時間」は、どんどん私たちの生活から失われています。

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