中居正広さんの反論が問うていること…「性暴力」報道は正しかったのか?
2025年3月、フジテレビが設置した第三者委員会は、元女性アナウンサーによる性被害の申告を受けて、中居正広氏の行為を「WHOの定義に照らし、性暴力に該当する」とする調査報告書を公表しました。これに対し、中居氏の代理人は5月、正式な反論文書を提出し、報告書の内容および調査手続きのあり方に重大な問題があると強く批判しています。
反論文書では、中居氏が第三者委員会のヒアリングに約6時間応じたにもかかわらず、その発言が報告書にほとんど反映されていない点が問題視されています。また、「性暴力」という文言が、事実関係と乖離した過度に強い印象を与え、本人の名誉を著しく損なうものであると主張されています。さらに、判断の根拠となったヒアリング記録や関連資料の開示を求めており、調査結果の透明性や手続きの公正性に対する疑義が示されています。
この問題は、報道機関による情報の伝え方にも影響を及ぼしています。報道は、その社会的影響力の大きさを自覚し、伝え方や表現に慎重であるべきです。とりわけ、センシティブな事案について、一方の見解や未確定な調査結果をあたかも確定した事実であるかのように扱えば、報じられた側の名誉や社会的信用を一方的に損なうことになりかねません。